国政報告

平成26年3月5日 参議院予算委員会で初質問

平成26年度予算案を審議する予算委員会も三日目。本日から一般質疑が始まり、私に自民党参議院の一回生として予算委員会質問トップバッターの大役が回って参りました。今まで4期16年にわたり岡山県知事として地方自治行政の先頭に立ち、財政の再建をしながら、地方の活性化、そして岡山県が更に力強く情報発信できますようにと努めてきました経験と、全国知事会等々における活動も踏まえながら質問をさせていただきました。

アベノミクスと小学生

石井

地元に帰り、特に景気ウオッチャーともいうべきタクシーの運転手さんと話をしておりまして、まだまだ十分に景気の浸透が隅々まで行き渡っていないのではないかと感じる点について、今の実態と、これから波及を進めていくためにどのような具体的な方策を取られるのか、小泉進次郎内閣府大臣政務官より小学生との逸話を交えた御答弁をいただきました。

小泉 進次郎 内閣府大臣政務官

「今日は御指名をいただきまして、ありがとうございます。昨年の夏の参議院選挙で岡山県の日本一有名な図書館の前で先生と一緒に街頭演説をしたことを思い出します。今日は、昨年御当選をされた自民党の参議院の一回生としての初めての参議院予算委員会のトップバッター、私もこの権威ある参議院予算委員会での答弁は初めてですので、よろしくお願いします。地域経済におけるアベノミクスの波及ですが、総じて景気回復の効果が出ているとは思います。ただし、地域間でのばらつきが見られるのは御指摘のとおりだと思います。御地元の岡山を含む中国地方は、まだまだ回復を更に進めていく余地もあると思いますので、先日成立しました補正予算、今御審議を参議院でいただいています本予算を速やかに成立を図り、遅滞なく執行につなぎ、地域の皆さんにも景気回復したなといった実感を伴うように進めていきたいと思います。先日、地元のある小学生とお話をしたところ、大変面白い質問をいただきました。小泉さん、アベノミクスと会ったことあると言われて、アベノミクスとは会ったことないけど安倍総理とは時々お会いするよと答えたんですが、よくよく考えてみると、その小学生の言葉は間違っていないのかなと。まだまだアベノミクスの好景気の実感を隅々まで感じていただいていない、その子供の言葉を借りればアベノミクスと会っていない方がまだ地域に多くいらっしゃいますので、一人でも多く、一社でも多く早くアベノミクスと会えるように全力を尽くしたいと思います」

石井

今後のアベノミクスの地方への波及について、安倍晋三総理に伺いました。

安倍 晋三 内閣総理大臣

「三本の矢によってデフレから脱却し、経済を成長させていくことで景気回復を着実にしていきたいと思っています。一般の皆さんは、自分の給料が上がって初めて実感できるのだと思います。経営者のレベルでは実感している方々が大分増えているのは事実でも、従業員の給料を引き上げるところまでは残念ながら行っていない。大切なことは、しっかりと働いている人たちの給料が上がって更に消費が増え、企業、小規模事業者まで含めて業績が改善し、更なる賃上げや設備投資につながることで、この景気の好循環を全国津々浦々でしっかりと確保することが大切だと思います。今の政策を着実に前に進め、地域ごとの地方産業競争力協議会も開催して、全国各地の生の声を日本再興戦略の実行に反映をさせたいと考えています」

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特区制度について

石井

ハイパー&グリーンイノベーション水島コンビナート総合特区をはじめとした、地方の取組、地方の発意を尊重した総合特区・構造改革特区などに対する国の支援について新藤大臣に伺いました。

新藤 義孝 総務大臣

「知事会等ではいろいろお世話になりまして、今回、国会へおいでいただいて、地方自治の実態を御存じの方から様々な建設的な御提案をいただけるものと大いに期待しております。個性を生かし自立した地方をつくる、これがこれからの地方分権の合い言葉だと思います。国家戦略特区は、新しい日本の経済の扉を開く、大きな規制緩和を通じていろんな経済を刺激していこうという取組ですが、あくまで先導的な事業であって、全国1700を超える自治体はそれぞれのやり方で工夫をしながら元気になっていただかなければなりません。これまでの既存の事業も生かしながら、地域の活性化や過疎対策も含めて、総合的に、複合的に展開しながらそれぞれの町の原型をつくってまいりたいと思います。国家戦略特区は日本再興戦略の中に位置付けてありますが、その国の上位計画の中でも、既存の特区制度も十二分に活用しながら着実に振興していきます」

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農林水産物の今後の輸出戦略

石井

農業を取り巻く現場の状況は今大変厳しいものがあります。担い手が減少し高齢化が進む、人口の減少、一方で、日本の食文化、特に日本食が非常に今注目され、世界文化遺産という動きもあります。国内だけではなくて海外に向かって、農林水産物の今後の輸出戦略について質問しました。

山下 正行 農林水産省食料産業局長

「農林水産物、食品の輸出の状況は、昨年は、香港、ASEAN地域への輸出が大きく伸びて、輸出額が対前年比22%の増加、原発事故前の平成22年と比較して12%の増加、過去最高となったところです。輸出戦略について、国別・品目別輸出戦略に基づき、オールジャパンの輸出促進の司令塔を設けて、日本食、食文化の普及拡大、原発事故発生に伴う諸外国の輸入規制の緩和等の環境の整備、産地間連携の構築等による物流の効率化など着実に実行することで、農林水産物、食品の輸出額一兆円目標に向けてしっかりと取り組んでまいります」

石井

岡山は果物王国と称し、高品質な安全な果物を主として東南アジアをターゲットに行ってきました。地方公共団体との連携や輸出の際のいろんなネックとなっている点についてどのような方策で輸出戦略を実現に向けて取り組むのか、林農水大臣の方針を伺いました。

林 芳正 農林水産大臣

「メード・フロム・ジャパン、メード・バイ・ジャパン、メード・イン・ジャパンの頭文字を取ったFBI戦略、日本の食材をフランス料理とかイタリア料理で使う、日本の食文化、食産業の海外展開、日本産のものの輸出、これを連携してやっていきます。HACCP、ハラール、相手国が求める認証基準、農林水産物、食品の場合色々クリアすべきものがあります。関係省とも連携して、相手国の規制の個別具体的な把握、事業者への情報提供、基準に対応した施設や体制、整備するための経費の補助をやりながら輸出環境の整備に努めたいと思います。青果物、それから牛肉、高い品質が評価されて輸出が伸びているところです。青果物については、成長著しい東南アジア等の新興市場の戦略的な開拓、卸売市場の活用をして周年供給体制、これが大きな商売には大事です。こういうところをきちっと開拓していきたい。牛肉も大変評価は高いですが、FBI戦略、日本食である焼き肉と一体的にプロモーションをしていく、ロシアやサウジアラビアなど牛肉需要が見込まれてまだ出せていないところを絞って輸出解禁に向けて検疫協議を進めます。オールジャパンの輸出促進の司令塔が必要で、ジャパン・ブランドとして輸出をしていく。今、どのぐらいの数字が出ているか、どういう取組になっているかを一つずつ検証し、更に何ができるかということをやって大きな一兆円の目標を達成していきたい」

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米の消費拡大・米粉麺について

石井

私も県議会で度々論戦をしてまいりました国内の消費拡大に向けた戦略をうかがいました。

林 芳正 農林水産大臣

「食料の安定供給、将来にわたって確保していくことは国民に対する国の最も基本的な責務と思っています。向上を図るために生産、消費の両面が考えられますが、需要のある飼料用米、麦、大豆の生産振興を図る、消費の方では、学校給食における地場食材の利用拡大、地域で生産される農産物の消費拡大を図るための商品開発、食のモデル地域、取組への支援、こういう政策を行うことで、まさに委員が詳しいところですが、地方公共団体などが実施する国産農産物等の消費拡大、地産地消の取組を推進することで自給率目標の達成に向けて引き続き努力を重ねていきたいと思っています」

石井

地域の女性ボランティア、栄養改善協議会の栄養委員の皆さんと連携して、朝食を食べよう大作戦という一大運動をし、大分朝食を食べていただく、特にお米を食べるお子さんたちが増えてきたという経験をもとに、米の消費拡大、米粉を使ったいわゆる六次産業化について大臣の方針をうかがいました。

林 芳正 農林水産大臣

「食生活が欧米化した、単身世帯が増えたので食の簡便化志向が進んだ、高齢化等によって一人当たりのカロリーの摂取量がどうしても減ってくる中で、パン、麺など、御飯以外の形態で米を消費できる米粉の消費拡大、大変に大事だと思っていまして、こういう取組に対して六次産業化法に基づいて事業計画を認定する。新規開発、販路の開拓、加工販売施設整備への補助事業、融資、加えて昨年の2月からは各県にサブファンドをつくっていただいて出資をする。六次産業化プランナー等の専門家による事業計画の作成から事業の実施に至るまでのアドバイスをする、こういうことで一生懸命六次産業化、後押しをしていきたいと思っています」

石井

米粉の製品について、地元で100%米粉による麺が開発、普及体制に入っております。先般、農林水産省の関係の方も御出席されましてプレゼンテーションも行いましたが、農水省のご対応について伺いました。

佐藤 一雄 農林水産省生産局長

「学校給食での米粉の利用について、米粉パンを導入している学校数は平成24年度には給食実施校の6割まで拡大しています。学校によっては米粉パンに加え、麺や揚げ物の衣に米粉を利用するところも出ており、農林水産省では、米粉料理レシピのコンテスト、各地で行われる食のイベントへの米粉関連商品の出展といろいろ後押しをしています。米粉の需要の拡大で今一番大事なのは、小麦粉の価格より米粉の価格の方が割高、製粉コストがまだまだ小麦粉に比べて高いという状況、この製粉コストの低減に向けた技術開発をやっています。米粉製品の持つ食感あるいは機能性を生かした商品の開発と普及ものが非常に大事ですので、予算要求の中の大豆・麦・飼料用米等生産拡大支援事業を活用して、製粉コストの低減あるいは新たな製品開発をしっかり推進していきたいと考えています」

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中心市街地の活性化

石井

地方都市の再生について、中心市街地の活性化は待ったなしの今状況になっていると思います。現状と方策について、経済産業大臣のお答えをうかがいました。

茂木 敏充 経済産業大臣

「平成10年に中心市街地活性化法を制定して以来、重要政策として取り組んできましたが、厳しい経済状況、特に地方はそうです。例えば病院が郊外に移転すると人の流れも変わってしまう。公共施設の郊外移転など様々な要因が複合的に関連した結果、中心市街地に対して十分な民間投資が行われずに、全体的に低迷している。恐らく岡山においても同じような状況だと思います。そこで中心市街地活性化法改正法案を閣議決定して国会に提出しました。これまでの反省も踏まえ、地元住民、自治体の強いコミットメントがある、経済効果の高い民間プロジェクトに対し従来よりも手厚い支援措置を重点的に講じます。予算措置の拡充、建物等の取得に関する割増し償却などの税制措置の創設、低利融資措置の創設など支援策を講じます。加えて地域活性化の推進に関する関係閣僚会合で関係省庁の施策を有機的に結び付け、様々な省庁一緒になって、新たな地方都市像のモデルとなるケースを構築していきます。モデルをつくり、全国に広げていく、こういった展開をしたいと考えています」

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都市再生特別措置法・公設民営・公設民託について

石井

超高齢化が進む中、医療施設などをもっと町の中心に近いところへ、福祉関係もそうですし、様々な都市業務施設を真ん中に集めて、居住関係の地域もその周りに設定していく、緩やかな、今までの都市計画の線引きとは違った誘導型の町づくりという都市再生特別措置法等の一部改正法律案や、公共交通ネットワーク、離れたところにいても様々な交通、公共交通のルートが設定されている。バスがある、不便なところはデマンド型のタクシーがある、そういう公共側が、地元が中心になって事業者と連携した取組、今これが求められていると思います。公共交通機関、公設民営、岡山も先進的にもう取組をスタートしておりますが、公設民託、こういった新しい考えについて、国土交通大臣のお考えを伺いました。

太田 昭宏 国土交通大臣

「人口減少・高齢化、この二つは相当これから進み、どう国土づくりあるいは社会づくりをするか、大きなテーマだと思います。2050年を想定しますと、一平方キロでメッシュで切りますと、何と2050年には66%の地域で人口が半減以下になると。そうすると、増田寛也さんが言っているように、もう消滅すると。しかし、私は、消滅するのではなく、数人でもその集落に住み続ける、どうやってこれを支えていくかという、町づくり全体をどうするかが一番大事なテーマで、スタートするのは今でなくてはならないと強く思います。コンパクトシティー・プラス・ネットワークが非常に大事になりますが、コンパクトシティーをやる中でも、郊外に広がった、また居住自体が広がっていますから、それを誘導して高齢者も町中に住んでいただく、歩いて暮らせる町をつくる、介護施設や医療施設も中心市街地に持っていく、その中には、今度は交通網も、今までは全部駅に行くようなバスや駅をつないだ列車が中心でしたが、最近は都市では昼間、高齢者が大勢住んでいますからずっと回って医療施設に行くようなコミュニティーバス、もっと集落が小さいところには、あしたここに行きますよという予定を出して拾っていくディマンドバスが想定される。交通網の整備が非常に大事になってきますが、そこを今度は民間がやる、市がやると共に赤字になって成り立たないことがありますから、そこに公設民営とか公設民託とか、持っているもの自体は公でも運営は民がやっていくと、いろんな形のすみ分け、お互いの連携が極めて重要。交通網でも町づくりでも、今度は各市や県に知恵袋がいなくてはならないという点が非常に急所だと思います」

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地方都市への第二次産業の立地について

石井

地方都市にしっかり第二次産業を立地をしてもらうための、国からの強力な産業政策について経済産業大臣のお考えを伺いました。

茂木 敏充 経済産業大臣

「これは一省庁で完結するものではありません。例えば倉敷もすばらしい町並みを持っていると思いますが、そこで様々なイベントを開くとなると、例えば交通規制で警察の問題が関わってきたり、病院の問題、厚労省であったり、まさに政府一体で取り組むべきと考えていますし、今まで以上に、レベルを上げて取組まないと中心市街地の活性化達成できないとの思いで取組みたいと考えます」

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これからの再生可能エネルギー計画について

石井

私は、全国30数人の知事さんたちに集まっていただき自然エネルギー協議会を立ち上げ、その会長に就任し、各種提言・要望活動を行ってきました。また、岡山県でも新エネルギービジョンをつくり上げ、岡山ならではの自然エネルギーを進めていこうという取組も行ってきました。エネルギー基本計画の案がいろいろ自民党の部会等でも議論されていますが、国として強力に進めていくべきだと思っています。現在の案では、再生可能エネルギー、「3年程度導入を最大限加速していく、その後も積極的に推進」となっていて、積極的に推進ならば、もっと分かりやすい表現にするべきではないか。また、私も参加しています自民党資源・エネルギー戦略調査会の地域の活性化に資する分散型エネルギー会議での「再生可能エネルギーの試案ならびに提言」で「再生可能エネルギーは、固定価格買取り制度の適切な運用と地域の強みを生かした最適な構成並びに省エネの推進と合わせることによって、国民の負担を最小限に抑えつつ、2030年に再生可能エネルギーの比率目標を35%に据えることは可能である」等々の具体的な提言もされています。これらについて、経済産業大臣の御見解を伺いました。

茂木 敏充 経済産業大臣

「再生可能エネルギーは極めて重視しています。国産のエネルギー、よく木質バイオマスの話も出てきますが、地域活性化にも資する分散型エネルギー源で、低炭素社会の創出にも寄与し、新しいエネルギー関連の産業や雇用の創出にもつながる点で、最重点で取組を進めたいと思います。一昨年の総選挙、安倍総裁の下での政権公約に今後3年間最大限導入しますとあり、今回はその3年で終わるのではなくて、更にその先も見据えてしっかりやるといった意味でエネルギー基本計画の政府原案に盛り込みました。さらに単に期間の話だけでなく具体策として、太陽光も風力も消費地と生産地が違ってくる部分があるので、送配電網等系統の強化を図る、地熱の問題を含めて、環境アセスとか規制の合理化も重要です。低コスト化を図るという重点政策もこの基本計画に明記、盛り込みました。また、自民党の地域活性化に資する分散型エネルギー会議では極めて高い野心的な目標を設定していただいた、まず自民党で様々な議論が進んでいくと承知しています」

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固定価格買取制度について

石井

固定価格買取り制度は国民の負担を求めてという制度ですが、認定を受けた事業者が太陽光パネルの値下げを待ったり、様々な事情で一定の期間内に運転開始をしないケースが出ています。我が岡山県でも強力にやってきましたが、幾つかの事例が散見されるようです。こういったものについては認定を取り消すとか、あるいは適用価格は下げていく、変更していく、思い切った制度の改正、見直しをしていくべきではないか。また、地域によって大分事情が違う点。太陽光発電で見ると、太陽光の非常に効率のいいところとそうでないところの差、地域特性を踏まえながら全体としては強力に進めていくという考え方について。法施行後3年後の買取り価格、買取り期間見直しの部分を半年ごとあるいは月ごととドイツの制度などを参考にした見直しとする考えについて、担当部長の御見解を伺いました。

木村 陽一 省エネルギー・新エネルギー部長

「御指摘の点について実態を把握すべく、昨年9月から報告徴収を行いました。その結果判明したまだ土地と設備が決定していない件については、今後、段階的に認定の取消し手続に入ります。また、設備の認定の在り方については、検討専門のワーキンググループを設置して、認定から土地と設備の決定までに時間的制約を設けるなど、制度の運用についても見直すこととし、今年度内の結論に向け検討を進めます。見直しを早急に進めながら、早期の運転開始が促進されるようにしていきたく思います。再生可能エネルギーに地域による特性があることは御指摘のとおりです。一方で、国民負担の観点から、法の趣旨に沿った効率的な事業実施を前提にしたコスト評価とのバランスを取っていく必要があると考えます。買取り価格、買取り期間は、法律上、毎年度、省令で再生可能エネルギー発電設備の区分、設置の形態及び規模ごとに価格と期間を定めることになっています。現行法では、御指摘の地域別、月別の価格設定がなかなか難しいですが、ドイツの例も参考に、固定価格買取り制度のあり方について、法の見直し条項に基づき、新たなエネルギー基本計画の策定を踏まえた再生可能エネルギー導入促進策の検討の中でしっかりと議論していくと考えます」

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木質バイオマス

石井

非常に林業関係者とか地域の皆さんの期待が大きく、我が地元でも日本一の規模の木質バイオマス発電が着工している状況にあり、太陽光発電についても我が国最大の規模のものが今事業化に向けて具体化しつつあります。一方で、燃料源となる原木や端材をどのように集めるか、大きな課題も地域にあります。これらを克服して、強力に木質バイオマス発電を進めていくための国からの力強い支援について、農水大臣の見解を伺いました。

林 芳正 農林水産大臣

「我が国の毎年伐採される立木の半分が林地内に放置されて未利用になっています。製材工場まで行くとほぼ95%、建設現場でも9割は利用しているのに比べて、伐採のところはほぼ利用率がゼロ、この2千万立米の利用されていないものを何とか利用できないか、発電や熱供給に使えないかというのが木質バイオマスのそもそもの発想ですが、エネルギーの安定供給や地域の活性化、森林の整備への寄与で大変大きな役割を担うと思います。木質バイオマスの利用の促進に当たり、施設を導入するときの初期負担が結構大きい、それから、走り出してからの木質バイオマス燃料の調達が課題になります。この発電施設の整備に必要な資金の融通、当該施設の立ち上げに必要な原料の初期調達コストの一部支援、ボイラー等の熱供給施設の整備支援、路網整備、森林施業の集約化などの取組を通じ、未利用木質バイオマスの安定的、効率的な収集への支援、木質バイオマス発電等に取り組もうとする事業者、お地元の岡山でも大きなプランが銘建さんを中心に動き出すということで大変期待をしていますが、相談等のサポート体制の構築、効率の良い木質バイオマス発電等に関する技術開発の支援と、網羅的に行い、利用を推進したいと思います」

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再生可能エネルギー普及拡大に対する総理の決意

安倍 晋三 内閣総理大臣

「再生可能エネルギーの普及は、我が国のエネルギー安全保障の観点からも、低炭素社会をつくるという観点からも大変重要で、新しいエネルギー関連の産業創出にもつながっていくと考えていますし、岡山県でも新しい動きが出ていることは歓迎したいと思います。固定価格買取り制度の着実な運用に加え、送電インフラの整備や規制改革、技術開発など、再生可能エネルギーの最大限の導入に向けて必要な施策を総動員する考えです。昨日首脳会談を行いましたデンマークでは、既に風力を中心に再生可能エネルギーが50%、将来100%を目指すということでした。国の規模等は大分違うので単純に比較はできませんが、しっかりと3年間の集中期間に再生可能エネルギーの充実を図っていきたいと思います」

石井

私も十数年前にデンマーク行ったときに、風力発電がどんどん普及していて、岡山でもどうですかと言われましたが、ちょっと岡山は風が強くないんですという会話をした記憶がございます。

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地方分権推進について

石井

今後の取組について、総務大臣に伺いました。

新藤 義孝 総務大臣

「ちょうど今年は平成5年に宮澤内閣で地方分権の推進に関する決議を衆参両院で行ってから20年目です。第一次分権改革では、国と地方の関係を上下主従から対等、協力という関係で見直しました。機関委任事務の廃止、自治事務、法定受託事務に分けた、これが大きなテーマです。それを第二次の分権改革で着実に実施。仕上げが今回の第四次一括法案で、今までの残りのもの全て提案をテーブルにのせ、出せる方針は全て織り込んだものです。20年間で、ある程度国から地方への権限移譲できるものは進みました。今後どうするかは新しいステージに上げなければと思っています。このキーワードは地方の発意と多様性。例えばやる気のあるところ、手挙げ方式を認める。自分たちだったらこうしたい、提案方式。今度は分権を一律のものではなく多様で発意を前提として進めていきたいと考えます。その中で具体的な制度、提案募集方式も手挙げ方式も制度として確立させていきたい。あわせて、今まで一つになっていて進まなかった地方分権の調査審議と政策決定の機能を分離させました。分権の有識者会議を設けて、議論だけでなく役所と実際に調整をしていろんな提案を整理してきました。これを継続、持続可能なものにし、成功事例を全国のそれぞれの自治体に知っていただく情報発信を更に強化、SNSを使ったり、シンポジウムを設けたり、いろんな工夫をしながら地方分権を新しいステージに上げていきたいと考えます」

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地方財政の充実強化について

石井

地方財政計画、地方一般財源は必要な地方一般財源総額の確保とされ、大変厳しい中での財政措置は地方公共団体にも評価をされていますが、地方はそもそも社会保障費が当然増で非常に増えていく、消費税増税に伴って社会保障もこれから充実をしていくことになる。地方財政の充実強化について総理の見解をうかがいました。

安倍 晋三 内閣総理大臣

「地方分権を進め、地方が自らの発想、創意工夫によってその地域の良さを生かした、地域らしい町づくりを進めていくには、自由に使える財源をしっかりと確保していく必要があると思います。平成26年度の地方財政計画では、社会保障費の自然増や充実分を含む経費を適切に計上して、歳出総額を前年比1.4兆円の増、地方税等の一般財源総額について平成25年度を上回る額を確保しました。今度も地方財政計画で必要な経費を適切に歳出に計上し、地方分権を一層推進するため地方税財源の充実確保に取り組みます」

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地方住民税の交付税原資化、偏在是正について

石井

地方住民税の交付税原資化という今回の税法の改正は、地方にいる者として偏在是正自体は評価しますが、一方東京都を始めとする税収の多い自治体は反発を強めている現状ではないか。元々全国知事会でも提案してきた偏在性が少なく安定性のある地方税体制、例えば消費税を地方税化していくとかの提言、また地方分権改革推進委員会からも提言があった国と地方の歳出比率を4:6に近づけていくためにまずは5:5を改革目標とすべきではないか、との地方側の意見について、総務大臣のお考えを伺いました。

新藤 義孝 総務大臣

「まず、東京都などの税収の多い自治体に対する反発をどうするのか。地方消費税の増収分の範囲内で法人住民税の一部を交付税原資化するということで、地方法人特別税の規模を3分の1縮小することと併せてやりました。東京都特別区においては法人住民税が1,700億円の減ですが、地方消費税が約2,200億円の増。さらに、地方法人特別税の規模縮小、今回制度改正して700億円の負担軽減となり、住民税の増と合わせてトータルで1,200億円程度税収増になって東京にも一定の御理解をいただいています。それから、偏在性が小さく税収が安定的な地方税体系の構築、もとよりそれは必要で、今後、地方消費税の充実を図ることが重要、そして消費税と地方法人課税との税源交換の検討、これは今後も更に進めていきたいと思います。国と地方の税源配分について、歳入と歳出のこの配分を5:5にしようと。これは我々も目標とするとこで取り組んでまいりたいと思います。ただ、そのときに、大都市部への税財源の集中が進んで財政力格差が拡大することが起きないようにしなければならない。税源の偏在性の小さな税体系を構築することが極めて重要で、今後の税調でも色々な御検討を賜りたいと考えています」

石井

総務大臣も務められて御造詣の深い麻生財務大臣に、御見解を伺いました。

麻生 太郎 財務大臣

「これは少子高齢化とも関係すると思いますが、都市に人口が集中する、コンパクトシティーという名前でもやはり都市に集中する。人口の集中イコール税収の発生、税支出も出ますが。かなり地域差が出てくる、本社のあるところに法人税が入る。例えば岡山で売れたスーパーのたばこ税も、本当はそこに地方消費税で入る分が本社にあるところにたばこ税は全部吸い上げられる。そういった形になると、極端なことで一極集中になりかねない部分がありますので、地域格差の是正をやらないと、地方と中央との差は出ますので、それをどういう比率で割るか、今回、地方交付税等々、特別交付税等々をやらせていただいて、今後とも適宜調整をしていかないと非常に偏在するというのが将来危惧しておくべきところだと思います」

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道州制について

石井

私は知事会で道州制特別委員会の委員長、あるいは全国の有志の知事・政令指定都市の首長さんと一緒になって推進連合をつくって共同代表を務めて、提言等を行ってきました。長い間地方分権を推進していく議論の中にあって、その究極の姿が道州制ではないかと考えています。いろいろ議論はありますが、国の形を変えるような大改革が道州制、またこれでないと意味がないと思います。昨年7月の参議院選挙における自民党の公約には、道州制基本法の早期制定後5年以内の道州制導入を目指すとなっています。是非、地方分権をあくまで推進する、国の形を変えるような中央省庁の解体、再編にもつながる思い切ったものを提案すべきというのが地方側の意見で、そうであれば全国知事会の方の意見もかなりまとまってくるのではないかと思います。党の方でも今議論しておりますが、総理自らがあるべき道州制の理念、姿を述べられますとともに、公約の道州制導入を目指すために、今国会に関連の、道州制関係の法案を提案されるべきではないか、総理のお考えを最後に伺いました。

安倍 晋三 内閣総理大臣

「地方において、また特に全国知事会においては様々な意見がある中、当時の石井知事が道州制に向けて議論をリードしてこられたことに改めて敬意を表したいと思います。道州制の導入は地域経済の活性化や行政の効率化などを目指し、国の在り方を根底から見直す大きな改革です。道州制の目指す姿は、国の役割を国の存立の根幹に関わるものなどに集約・強化して、道州は国際競争力を持つ地域経営の主体となって、基礎自治体は住民に直接関わる事務を行う主体となる。国、そして道州、基礎自治体、しっかりと役割分担をしていくわけですが、現在与党で道州制に関する基本法案の早期制定を目指し、精力的に議論中で、議論が集約されるプロセスの中で法案が国会に提出されると考えておりまして、今後政府としても連携を深めて取り組みたいと思います」

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地方を、熱くする。誠実に前向きに! 自民党 参議院議員 石井まさひろ