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国政報告

平成26年11月19日 地方創生に関する特別委員会にて質問

「まち・ひと・しごと創生法案」「地域再生法の一部を改正する法律案」の両案について、内閣総理大臣に対する質疑が行われ、トップバッターとして質問に立たせていただきました。地方の元気を取り戻すため、国会をあげて審議すべき重要法案であり、国民の皆様にしっかりご理解いただけるよう、NHKでも放送される予定でしたが、出席されない党があり、全会派出席の原則から放送は休止、議論を深める上でも残念な形での開催になってしまいました。

「地方創生」に懸ける総理の思いと決意

安倍内閣の大きな政策の一つに地方創生があり、地方は非常にこの政策に期待をしています。長年地方自治に携わった経験を踏まえて安倍総理大臣に質問をしました。

石井

地元の皆様、東京に来ている地方からの出身者、県人会等でお話を聞きましても、「地方創生」が本当にできるだろうかという声も聞こえます。過去の日本列島改造論やふるさと創生との対比の中で、総理の地方創生に懸ける思い、決意を改めて伺いました。

安倍晋三 内閣総理大臣

ご指摘のように様々な取組がございました。その時々に、「何とか日本の地域を、ふるさとを活性化させたい」「地域の活性化があって初めて日本が日本らしい国として未来をつくっていける」との思いでつくられたと思います。
しかし、残念ながら大都市への人口流入は止まらず、地方は、高齢化そして少子化、大きな問題を抱えています。
石井委員も、岡山県知事として県政発展のために辣腕を振るってこられましたが、例えば岡山なら岡山市の良さ、倉敷には倉敷の文化の魅力、そういうものを生かしながら発展を導いてこられたと思います。
今までの問題点としては、霞が関でいろんなものを決めていく。現場主義に欠けていたのではないか。知事としてずっと感じておられたでしょうけれども、省庁の縦割を排さなければいけないということは明らかになってきていますが、更にしっかりと今までの取組の課題、問題点を分析していく必要があると思います。
そうした反省の上、今回の地方創生に当たって私の下に「まち・ひと・しごと創生本部」を創設しました。人口減少、超高齢化と、地方の直面する課題は待ったなしです。我々の経済政策によってやっと生まれたこの好循環を全国隅々に届けていく、活力ある地域社会をつくっていかなければいけないわけで、今までの地域再生関連の政策を検証、総括した上で、地域の活性化と人口減少克服を併せて解決する取組を内閣の総力を挙げて集中的に進めていく決意です。

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民間人材の活用

続きまして石破地方創生担当大臣に質問いたしました。

石井

地方のやる気のある方々の取組を引き出して成功事例に結び付けようという取組は評価できますが、ただ、そういった地域には、そもそも地域活性化に関する必要な情報等が入ってこない。企画立案あるいは実行していこうとする人材もいない。やろうとしても、権限が、例えば規制緩和等が十分になくて、農地転用の問題などの課題あるいは財源。財源があるところも、自由度がない。こういった、情報、人材、権限、財源、ないない尽くしの小さな市町村が数多くあります。
岡山の備前商工会議所の職員が全員愛読書で読んでおられる「ローマ法王に米を食べさせた男」にもありますように、小規模な市町村では、民間の斬新な発想で大きく政策が変わる。民間人材が非常に有効だと思っています。県庁時代の経験でも、民間人を登用しますと、国際化政策あるいは観光政策、企業誘致政策、非常に前向きな取組をしてくれて、大きな成果がありました。
私は「日本版シティマネジャー派遣制度」を高く評価していますが、人数100人のうち大学研究者、民間シンクタンク等で合わせて75人程度。民間人材を求めている市町村は数多いと思います。是非とも大幅にこれを増やして希望する自治体の期待に応えていただきたい。石破大臣の見解を伺いました。

石破茂 地方創生担当大臣

石井委員ご指摘のとおりです。来年度は初年度ですので100人ぐらいがぎりぎりいっぱいかと思いますが、民間の人、民間企業にいた人たちを地方の自治体でその知恵を生かしていただくのは、考えなければいけないことだと思います。
東京に住んでおられる方で、まだ定年前の50代の男性の5割は地方で仕事したい、暮らしたいと思っておられる。これを活用しない手はない。どういう形で人材を集めるか、どういう形でマッチングをさせるかという手法を早急に検討しなければいけないと思います。
民間はまともにやらないと潰れますので、役所と全然意識が違うと思います。役所はそれなりに高い知識、識見を持っていますが、民間の発想は極めて重要だと思っており、5割の方が移住したい、このことによく着目をしてマッチングのやり方も考えてまいります。

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企業の地方への立地促進

宮沢経済産業大臣に産業政策について質問しました。

石井

働く場、雇用の創出が重要です。以前、首都圏と近畿圏に工場、大学等が集中し過ぎて人口等が爆発的に増え、大都市として限界に来たために制定された工業等制限法が一定の成果を得ましたが、規制改革の流れの中で廃止されました。
現在はサービス産業へのシフトや工場の海外進出など産業構造も変わりましたが、工場や本社機能の地方への移転が進まないと、なかなか地方創生はできないと思います。
規制手法がいいのかどうか、誘導手段でやるのか、あるいは税財政制度、特に税制を、一国二制度云々という議論はあるが、法人税等で東京圏とその他地域で差を付けるぐらいの異次元の政策を是非検討していただきたい。宮沢経済産業大臣の見解を伺いました。

宮沢洋一 経済産業大臣

地方創生のためには、東京圏から地方へ本社などが移っていくことは大変大事な政策だと思います。
石井委員もかつてお仲間だった全国知事会でも税制改正要望をまとめられ、先日、中身を伺いました。それを踏まえて、経産省としても、例えば設備投資の大幅な減税とか、事業税とか固定資産税の減税、もちろんこれは減収補填の措置を講じなければいけませんが、今、自民党の経産部会を通じて重点要望として出させていただいております。石井委員も、当選2年目にして党税調の幹事、幹部になられているわけで、是非とも要望が通るように頑張っていただきたい。

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地方大学の活性化

下村文部科学大臣に大学の政策について質問しました。

石井

首都圏に偏差値が高いいわゆる有名大学が集中しており、地方から上京して当該大学に入り、そこで卒業した学生さんは、ふるさとに帰って就職をしようにもなかなかマッチングできない、目当ての企業が見付からず、そのまま首都圏に就職してしまう。優秀な人材が東京に残って一極集中が進んでいる。全国知事会でもそういう議論をよくしてきました。
首都圏の大学を地方に分散する施策を導入してはどうか、また、秋田あるいは大分にあるような個性あふれる、また国際色も豊かな魅力的な大学が地方に立地している例もありますが、新聞報道にもありますが今、首都圏など大都市圏でも大学の都心回帰が進む状況の中、是非こういった政策を推進する、地方にある大学を思い切って活性化するための大胆な政策をお願いしたい。以前の工場等制限法の対象は大学もありましたが、こういう規制手段の検討も含めてご回答をいただきたい。

下村博文 文部科学大臣

ご指摘のように、意欲と能力ある若者が地域に残り活躍する環境をつくっていくためには、地方大学が一層活性化し、都市部の大学以上に若者にとって魅力ある存在となることが重要です。
文部科学省では、地域の課題解決や地域が必要とする人材の育成等に積極的に貢献しようとする大学を平成25年度から「地(知)の拠点整備事業」で支援するとともに、国立大学や私立大学に対し、地域の強みを生かした教育研究の機能強化、地域の発展に係る積極的な取組への支援を強化しているところです。
例えば岡山県の吉備国際大学では、高齢者のための健康教室や、地域の未就学児がいる家庭と学生の交流による子育て支援等を通じ、中山間地域における持続可能な地域づくりに取り組むなど、大学の教育研究機能を生かした地域貢献の取組が行われているところもあります。
また、平成27年度概算要求でこの事業を発展的に見直し、地方大学に対象を限定して、雇用創出や若年層の地元定着率の向上に直結する取組を推進するための経費を要求しているところです。さらに、概算要求中の大学教育再生加速プログラムでは、都市部の大学生がギャップイヤーを利用して、地方、中小企業へのインターンシップに参加するなどの取組の支援も行うこととしています。
大学の設置、開廃や移転は、学校法人等の設置者の主体的な判断に基づいて行われるものですので、かつての工場等制限法のような規制の強化よりも、大学の地方貢献を積極的に評価し支援していくことが重要であると考えます。地域で活躍する人材育成、大学を核とした地域産業の活性化、地方への人口集積等の観点から、地方大学の役割に極めて大きな期待が寄せられており、地方創生の中核を担う地方大学の活性化に文部科学省としても全力で取り組みます。

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総括

最後に、総理に総括的に質問をいたしました。

石井

経済産業政策、大学政策と議論しましたが、これに加えて政府自らが異次元の政策というと、首都機能の移転問題に関連して、中央省庁の地方移転も思い切って私は考えるべきだと思います。例えば、復興庁は福島に、文化庁は京都、中小企業庁は大阪だとか、そういった大胆な政策転換についてどうお考えか。
戦後から今日まで営々と築かれてきた大きな国策が大転換しないと真の地方創生はないと思います。欧米の中小都市には大学とか大企業が結構あります。国政の大構造改革、思い切った真の地方分権体制への移行、以前から道州制も主張していますが、内政は基本的に地方に委ねる、権限、税財源は地方に移譲する、そうした国の形を変えるような大改革を、内閣のどこかに検討機関を設けるぐらいの取組をお願いしたい。

安倍晋三 内閣総理大臣

石井委員がおっしゃったような、今までと次元の違う思い切った発想と、それを実行していく決意が必要だろうと改めて思いました。国は国家としての本来的な任務に重点を置き、身近な行政は地方が担う、この役割分担をしっかりと行っていくことは当然だろうと思います。
今後も、地方の発意を重視しながら、国から地方への権限、財源等の移譲推進など、地方分権改革を力強く着実に進めていきたい。例えば中小企業庁は大阪と、岡山とおっしゃらなかったことは大変立派だと感じたところですが、本来どこに置くべきかも議論していく必要があると思います。
また、道州制においては、現在与党で議論を少しでも前に進めるべく様々な意見交換が行われていると思います。道州制は国の在り方を根本から変えていくという考え方ですが、こういうダイナミックなことをしっかりと議論していくことが今求められているのでは、と思います。

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地方を、熱くする。誠実に前向きに! 自民党 参議院議員 石井まさひろ